読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

本と紅茶を一杯

読書記録と紅茶、ときどき雑記

さまざまな死と向き合う「天国旅行」

今朝は気持ち良い晴れで、久しぶりに朝からヨガをやりました。

おかげで目覚めはスッキリです。

 

今日は三浦しをんさんの「天国旅行」のお話です。

f:id:nakonako75:20170518080141j:image

この話は短編なのですが、どれも「心中」をテーマにしています。

内容も軽いものから読むのが辛くなるような重いものまで多岐に渡り、三浦しをんさんという方の作家としての幅がわかります。

 

7つの短編がありますが、1番印象に残ったのは「炎」という話。

愛は、対象からの愛や憎しみや無反応を感受して増幅したり消失したりするけれど、恋はいくらでも一人でできる。

そう思う亜利沙の想い人は、朝に一緒のバスに乗る学校の先輩。

その先輩が校庭で焼身自殺をしたことから、物語は動き出し、亜利沙は初音と共に自殺した理由を探っていきます。

 

しかし結局真実は曖昧なもので。

というのも亜利沙の視点からしか物事を見れないから曖昧なことしかわからないんですよね。

謎は謎のまま、ラストを迎えます。

 

たぶん何十年経とうとも、炎は赤く暗闇を照らす。

忘れることを許さずに。

とあり、この出来事は本当に炎のように亜利沙の胸にとどまり続けるだろうなと予想されます。

 

全体的に重みのある1冊でした。

他にも、夢と現実がわからなくなる「君は夜」もこわかったです。

読み終わったときに寒気がした短編は久しぶりです。

 

ところで重みのある作品ではありますが、ところどころの三浦さんの表現がやはり好きです。

1番好きなのは「初盆の客」の、

秋の気配を押し返そうと、表では蝉が必死に鳴いていました。

という表現。

蝉はそんなこと考えてないでしょうけど、そういう風にも見えるところが面白いです。

 

「天国旅行」というタイトルと、短編というところに惹かれて購入したこの作品。

生と死について、なかなか考えさせられる作品でした。

次はもう少し明るい作品が読みたいかな(>_<)

 

本日もお読み頂き、ありがとうございました。