本と紅茶を一杯

人・本・紅茶を愛す。自分も大切に。

桜木紫乃さんを初めて読みきる「蛇行する月」

最近はアウトプットよりインプットを重視しています。

本を読む、映画を観る、人と話す。

色んなものを吸収していきたいと思っています。

 

図書館に行ったとき、こちらのタイトルと切なげなジャケットに惹かれました。

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桜木紫乃さん、聞いたことあるなぁ。でもきちんと読んだことないなぁ。」

そう思って、今回読んでみることにしました。

 

トーリーは配偶者がいる年上の男性を好きになり、そのまま北海道から駆け落ちした須賀順子。

その彼女を中心に、物語は短編連作という形で進んでいきます。

時間や場所を変えながら、友達の清美、桃子、美菜恵、直子、母親の静江、そして駆け落ち相手の妻である弥生の人生が、順子の行動によって少しずつ少しずつ変わっていきます。

決して急に大幅に人生が変わるわけではないところに、人間の複雑さを感じますね。

 

そうそう、順子を中心に物語は進みますが、順子及び順子の家族にスポットライトが当たり、物語があるわけではありません。

あくまでも主人公の女性たちの視点で、順子たちの生活が語られます。

 

1つの話が30ページと短く、その中で時間も進んでいくので、何だか他人を通して須賀順子という人物の一生を見たような気がします。

私はとても読みやすいと感じました。

自分が今インプットのモードということもあるかも知れませんが、スッと物語に入ることが出来ます。

 

桜木さんの作品を読むのは実は2度目なのですが、読みきったのはこれが初めてだと思います。

前に「ホテルローヤル」を読んだのですが途中で辞めてしまったんですよね。

いま思えばもったいなかったかも…。

 

駆け落ちした人物の、その人なりの幸せ。

小さな出来事をキッカケに、人は少しだけでも変わることが出来るということ。

タイトルの「蛇行する月」とは何を表しているのか、とうとうわからなかったですが、寂しげなそのタイトルと表紙はまさにぴったりです。

恋愛だけではない、昔の人間関係や今の生活をも押し込む、いろんなものが詰まった作品でした。

 

本日もお読み頂き、ありがとうございました。